詩集 壮大なる粋な計らいで責めていく奇形パンデミックのための抒情詩集 第三詩
3.満天の青空に内包される親和的ファンファーレと地道な熱狂について
満天の青空に何思うことなく
粛々と包み込まれていると
そこがベランダであることを忘れて
どこかの野原であるかのように思う
風はまだ強いけれどもそれはまた心地よいものだし
遠く高速道路の先には未だ白い雪山で居続ける富嶽もみえているし
桜を過ぎた新緑の青々しい木々の葉が必死に揺れているのもまた風情
しかしそれにしても風が強すぎるのがやはり否めないのだ
母が起き出してきてこの風のあり方について疑問を呈し始め
ぼくは部屋に引きこもり始め詩を書いているので黙っているし
何か風流なものを描こうとしているのにそうはいかず
世間話のような趣きを段々と醸していくあたり
もう詩を書いているどころではないと気付き
最後に捨て台詞のようにこの言葉を置いていく
この日を迎えられるか正直不安だったけど
誕生日おめでとう、お母さん
以上がこの詩集の三つ目です。
全く素直な詩だと思います。
なので、今日は母のために色々やろうと思います。